コロナ自粛のスタートから約2年をかけてのんびり整備してきたTX650。
何とか約10年ぶりに車検を取得しました。
公道である程度の距離を実際に走りながら残りの課題を見つけるべく早速乗ってみましたが、、、信号待ちでエンジンが停止してしまいます。
前回の記事では、まったくの始動時はそれほど問題なくエンジンがあたたまったころ(熱くて触れられなくなったくらい)の信号待ちでエンストする感じであることを把握しました。
熱が原因で変化するとおもうポイントなどを整理して対処してみました。
今回はコンデンサを交換してみてわかった結果をご報告します。
この投稿はこんなひとにおすすめ
【こんなひとに】
・原因不明のエンストに悩まされているひと
・特にエンジンがあったまったときにエンストするひと
・YAMAHA TX650やXS650ユーザー
・古いバイク(ポイント車)ってなんだ?というひと
【この投稿ではこんなことがわかります】
- TX650、XS650のコンデンサの取り付け位置や注意点
- TX650、XS650につかえそうなコンデンサ
- 筆者の苦労のわりに成果がなかったこと(笑)
では、どうぞ
不調の原因は燃料・吸気?それとも点火・電気系?
わたしなりに考えた原因は次の項目です
- 吸気系部品の熱膨張
- 点火系部品の熱による電気抵抗等の変化
20年くらい、ずーと以前のはなし
とつぜんですが、わたしは以前に、同じような症状で悩んでいたことがあります。当時はお金も知恵もない若者だった私は点火系を疑ってプラグキャップ付の結構立派なプラグコードに交換しています。
しかし、その時には今ほど症状が発現していたわけではなく、似たような感じではあるんですがむしろ走っているときに息継ぎをするような症状で、、、プラグコード変えただけではその時にでていた症状は改善していませんでした。
その後もそのまま手を打つことなく、だましだまし乗ってしまえていました。
今回はそういうわけにはいかないレベルの症状です。
インマニを疑うもやはり点火系か
点火系の一部(プラグコード)を交換しても症状が改善しない経験と、所有している他のバイク(実は私はハーレーも所有しているのですが)でもアイドリング不調を経験していまして、それがどうもキャブレターよりエンジン側から二次エアを吸っていていたことが原因だったことから、今回のTX650の不調に対して点火系を疑いつつも、吸気系の二次エアのほうが先に頭に浮かんでしまっていました。
なので、まず注文した部品は「インテークマニホールド」です。
ネットで注文した新品のインマニがとどきましたので週末に変えてみよう!と意気込んでいたところで、元バイク屋さんの友人にTXの症状をLINEで伝えてみたところ
ポイントの面荒れじゃね?
と相談に乗ってくれました。
・・・(やっぱり、プロが症状を聞いた感じでも点火系か)・・・
とおもいなおしてインマニの交換をまずいったん中断しました。
もちろん新品インマニは手元にありましたので取り替えてもよかったのですが。
確かに、吸気系のエンジン不調であればバックファイヤやアフターファイヤ、プラグの焼け具合の変化、クシャミ的症状などがでそうな気がしてもいました。
しかし今回の症状ではそれらの症状は確認できてません。
プラグの焼け具合も、教科書に出てきそうな立派な「きつね色」でした。
プロの感覚やこれらの状況証拠、、、
そしてなにより気になっていたのが車検をうけるまでの整備中に確認していた左右のスパークプラグの火花の色の違い(右のプラグはオレンジの火花、左のプラグは青白い火花)があったこと。
それから「コンデンサ!」
素人整備です。 スタンスふらふらしてます。
コンデンサを疑ってみた
仕事で電気回路を扱うことがあるわたしの経験では、経年劣化でダメになる部品の代表選手は「コンデンサ」でした。
エンジン発熱の影響による静電容量の変化・・・・これありえるぞ・・・・ということで
ポイントカバーを開けて接点の動きを観察してみました。
こうやってちゃんと観察するのは初めてです。
すると、右側用のポイント接点が開く瞬間にパチパチと火花が出ています。
左側用の接点ではほとんど火花がでていません。
このパチパチという火花のレベルが「やばいレベル」なのか「この程度ならセーフ」なのか・・・初めてちゃんと観察する私には判断がつきません。。。
が、このポイントの接点で火花が出ないようにするためにコンデンサが実装されているのは確かだから・・・「よし!とりあえずコンデンサ変えるぞ!」ということでコンデンサをネットで注文することにしました。
使用したコンデンサ
KIWAMI コンデンサー FOR ヤマハ Y-TX650/A・Y-XS650B・Y-XS1/B・Y-XS2(FOR Y-256-81625-10 に該当) 価格:2,750円 |
コンデンサはどの程度流用がきくのかなどもわからないこともあり、とりあえず適用車種の記載を参考に注文してみました。
TX650のコンデンサは エンジン左右のシリンダー点火回路1つに対して1つずつ、つまり計2つ必要です。
その2つのコンデンサをホルダーで1つにセットされているものがとどきました。
純正との外観の違いはメーカーの刻印ていどとおおいます。
このコンデンサの静電容量などに関するネタは手持ちの資料やネットでながれていない情報のようです。
これ・・・ダイオードやん!
さてコンデンサも無事に届いた週末。
これで症状を絶対改善するぞ!と自分を奮い立たせます。
以前の整備中にタンクの下にコンデンサっぽい素子を見つけていたので「あの古めかしい素子を変えれば・・・それにしても届いた新品コンデンサと俺がおもっているあの素子…あまりに外観が違うぞ。」と怪しい空気がただよいます。
「前のオーナーが適当なコンデンサをつけてたのかもな」と自分に言い聞かせ、ガソリンタンクをとりはずしてコンデンサと思い込んでいた素子にアクセスしてみます。
コンデンサっぽい素子にはすぐにアクセスできました。。。「おや?」と違和感はありました、その素子はギボシ端子で配線されていましたのでまずはそれを外します。
「この配線がポイントやイグニッションコイルにつながっているのか・・・(ほんとか?)」ということでテスターで導通を確認します。
しかし、まったく導通が確認できません。。。
え!? そうです、私がコンデンサだろうとおもっていた素子はまったく関係のない素子(以前から回路的にはキャンセルされているリアブレーキライニング警告灯用のダイオード)のようです。
よく見るとダイオードっぽいシンボルがプリントされていました(サービスマニュアルの配線図にもダイオードが1つ登場します)。
「うぇ~ コンデンサどこについとるんよ~」
TX650のコンデンサってどこにあるの?
TX650のコンデンサは次のようにして確認します
- ガソリンタンクの下にありますのでタンクを外します
- フレームとエンジン上部を結合している金物の裏にあります
- コンデンサを交換するには2の金物を外す必要があります
- 金物を外す際はエンジンを支持しているほかの金物は外さない
(エンジンがずれたら復旧するのが難しくなると思う)
コンデンサの交換なんてちょちょいで済ませるつもりだった私は、コンデンサがどこに実装されているのか?調べる羽目になりました。
イグニッションコイルやポイントから伸びている配線を追いかけますが最後はどこに向かっているかわからなくなります。
「どこ?」 探しました・・・そしたら・・・見つかりました。
フレームとエンジンをつないでる金具の裏側に・・・コンデンサはありました
「なんちゅうところについとるんよ~見えんかったわ」
独り言の多い一日になりそうです。
エンジンとフレームをつなぐ金物をとりはずさないとコンデンサにアプローチできませんでした。
エンジンとフレームをつないでいる金具はボルトナットでとまっているだけですので外すことは難しくないのですが、エンジンはそれなりに重たいはずなのでこのボルトを外したときに位置がずれて、もとにもどせなくなることをめちゃくちゃいやがる私は、心理的にこの作業がめっちゃいやになりました。。。が、「やらなきゃ進まない、やるしかない」 と気合をいれました。
繰り返しますがこれをはずすのはさほど難しくありません。。。
とにかく独り言が多くなります。
ちなみに結果として元に戻す際の問題は生じませんでしたが、びびりながら慎重に作業しました。
コンデンサは取り外した金具に、2本の(+)ネジで取り付けられています。
また嫌な予感です。このネジの1本にアース線が取り付けられています。
このアース線は従来からついているものなのか前オーナーがボディーアースをとるために工夫で追加したものかはわかりません。。。
が、ここにきっちり電流が流れていたのでしょう。
亜鉛メッキのコンデンサボディと鉄のネジの間にイオン化が発生していたのか?
がっつり錆が生じています。
アース線がついていなかったネジは比較的簡単に外れたのですがこの錆がちょっと厄介。
とにかく固い!
適当に緩めようとすると+ネジの頭をなめてつぶしてしまいそうです(実際ちょっとなめてしまいました)。
アース線がつながっているので自由がきかず(線を切ることもできましたが復旧するのもそれなりに面倒そうだったので)プラスドライバーを力強く押し付けながら回すことができません。
こんなときはCRC-556で潤滑。
それでもなかなか回りません。対処法をネットで調べますが、
ラスペネ?CRC556よりもっといいやつ? を使え!(一般家庭にそんなもんねぇよと突っ込み)
とか
インパクトつかえ!(いやいや、インパクトあたえられるようなところについてねぇんだよ)
とか
輪ゴムをドライバーの先端に押し付けてまわしてみろ!
(おっとこれは使えそう・・・だけど嫁さんに聞いてもそんな立派な輪ゴムはないわよ) とか どれも今の状況では使えない。
あきらめてアース線切るしかねぇか・・・何度も頭をよぎりましたが、最後の賭けです。
CRCを気が狂ったのか?というほど吹きかけて30分程度おいてみて再度チャレンジ。。。
「やった!解けた!」
WAKO’S ワコーズ ラスペネC RP-C A122 [350mL] 価格:2,189円 |
週末のDIYおやじからすれば、コスパはCRCですよね。
いちおう、ラスペネの商品リンクはってみました。
ラスペネって値段がそれなりにするので買ったことないんですけど、どんだけすごいんでしょうか・・・
試す価値あるのか・ないのか・・・悩みながらも買い足すときはやはりCRCですね。。。
今度、お小遣い余裕があるときにラスペネ買ってみます。
コンデンサを新品にした結果は!?
コンデンサ変えてエンジン始動です。
結果:コンデンサが原因ではなかったようです
エンジンは従前の通りちゃんとかかりました。
その状態でポイントカバーを開けて火花の様子をみましたが・・・「変わんねぇな・・・」独り言が続きますね。
作業前後であまりポイント接点が離れるときの火花は変わりませんでした。
次にその状態で公道を走ってみました。
が、結果は従前と同じ…温まった状態の信号待ちでは残念ながらちゃんとエンストします。
「70年代にもアイドリングストップ機能あったのか。サスティナブルだなぁ。」
独り言が止まりませんね。
コンデンサを交換したあとの試走では途中でエンストして困りましたが、なんとか自宅まで戻って来れました。
まとめ
結局めちゃくちゃ苦労したのに「コンデンサじゃなかった・・・」
あらためて、今回はコンデンサを交換してみました。どんなコンデンサをつけなきゃならないのか、正直わかりませんでしたがとりあえずXS650やTX650向けと称して流通していた部品がそのまま使えることが確認できました。
もし同じような悩みを抱えていらっしゃるDIYバイカーの方の参考になれば幸いです。
KIWAMI コンデンサー FOR ヤマハ Y-TX650/A・Y-XS650B・Y-XS1/B・Y-XS2(FOR Y-256-81625-10 に該当) 価格:2,750円 |
ただ、個体によっては品質悪いものも流通してるかも・・・さほど高価なものじゃないですので勇気をふりしぼって取り替えてみるのも選択肢としてはありかもしれません。
次回は、IGコイルをかえてみることにします。。。
後日、イグニッションコイルを交換したときの記事はこちらです
コンデンサって何?っていうひとにはこちらの記事をご案内
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