わたしの愛車は 1970年代の YAMAHA TX650 というオートバイ。
約50年の経年劣化は、フューエルライン(ガソリンが流れる経路)や電気系統で特に劣化が進んでいます。
今回も残念なことにキャブレター(ガソリンを霧状にしてエンジンに送り込む装置)からガソリンがオーバーフローしていました。
ガソリンの経路でいうとキャブレターにガソリンを送り込む、ガソリンタンクのコックはOFF位置にしているにもかかわらずでした。
キャブレターにおそらくちょっとずつガソリンが流れるなど複合的に悪いところがあるのだろうということで、今回はガソリンコックをあけて点検しましたので、ご紹介します。
年式によって種類が違うTX650のガソリンコック
わたしはバイク整備の専門家ではなく、ただのバイクユーザーです。
そんな私が知る限り、ガソリンコックに、負圧式とよばれるタイプとそうではないタイプが存在しているようです。
そして、私の愛車であるTX650は年式によって、負圧式のものとそうでないものがあります。
わたしのTX650は初期型のモデルで、この年式の場合は負圧式のものではありません。
負圧式のコック
負圧式のコックは、私のTX650には採用されていませんが、私の愛車にくらべてすこし進化したコックのようです。
具体的には、マニュアル(手動操作)で、ガソリンのコックをON/OFFするのではなく、エンジンがかかるときにエンジンが空気を吸い込む力(負圧)を利用してコックが自動的にONになる、いわば自動式ガソリンコックです。
見た目は、負圧式でないものにくらべるとすこしぼってりしている感じです。
負圧式ではないコック
わたしの愛車であるTX650初期型はこの負圧式ではないタイプです。
ユーザーのON/OFF操作でガソリンを送り込んだり・止めたりします。
単純にONにすれば、重力でガソリンが流れていく仕組みです。
今回は、この負圧式ではないコックをあけて点検します。
ガソリンコックを分解する事前準備
注意!火気厳禁!
当然のことですがガソリンはとても引火しやすいので、そもそもわたしのバイクのように、漏れていると危険です。
漏れている場合は、絶対タバコなどを近くで吸わないようにしましょう。
たとえば、無意識にライターを操作してしまったら…こわいです。
ガソリンはできるだけ減らしておく
ガソリンタンクにガソリンが入ったままだと、ガソリンコックをあけて点検することができません。
そのままコックの解体作業をはじめると、ガソリンまみれになってしまいますので必ずガソリンを抜いて作業することになります。
ガソリンを減らす方法ですが、私の場合は気持ちよく晴れた日にツーリングしてある程度は消費しておきました。
そして、作業直前には「ガソリン携行缶」にのタンクに残っていたガソリンをできるだけ多く移しておきます。
携行缶にガソリンを移す時には、まず仮設ガソリンホース(ある程度長い予備のホースなど)をつないぐなどして携行缶の注ぎ口にある程度突っ込んでおきます。
仮設のものがない場合は、こぼれないように工夫して移す方法を考えるしかないですね。
ガソリン携行缶には空気抜きになる、ネジのようなものがついています。
このネジをすこし開いて空気が抜けやすくしておきます。
これをやらずに移すと、場合によってはあふれ出してしまうこともありますので注意してください。
あとは、既存のガソリンコックを思いっきりONにして携行缶にタンク内のガソリンを移していきます。
こぼれないように最初は慎重にON/OFF操作ができるようにコックに手をかけておくくらいの心構えでお願いします。
コックの種類やタンクの形状などにもよるとおもいますが、おおむねタンク内のガソリンが抜けたとおおもったところで、次にリザーブ(予備)位置にして、さらに搾りだすようにガソリンを移しきっておきます。
完全にガソリンを携行缶に移してしまえればそれにこしたことはありませんが、タンク形状や傾き加減によって若干はのタンク内にガソリンが残るのはしかたのないことかなと思います。
しかし、できるだけ抜ききっておきましょう。
また、コックをOFFにしてもまだまだちょろちょろと流れ出てくることがありますので、気長に抜けきるのをまちましょう。
あせって作業をして、残った少量のガソリンをこぼしてしまった経験がいっぱいあります。
もう出ない、と思えるまで携行缶にガソリンを移しきったら、しずくが垂れないように携行缶から仮設のホースなどをとりはずし、携行缶自体からもガソリンがこぼれたり揮発したりしないように注意しながらふたをしておきます。
この時点で、近所にはガソリンの匂いがいくぶんか漂います。
つぎは空になったガソリンタンクを車体から外します。
車体の形状やタンクのマウント方法によっては車体に乗っかったまま作業できるケースもあるかもしれません。
ご自身の愛車の形状などをみて判断してください。
ガソリンコックをあけるとわかる仕組み
それでは、愛車TX650のガソリンコックをあけてみます。
この車両の場合は、コック正面にある小さな(+)ネジを2本外すと、次の5点の部品に簡単に分解できる状態となりました。
①プレート(ON,OFF,RESと刻印されたやつ)
②コックレバー(裏面はフラットな面)
③くねったワッシャーみたいな座金
④4つ穴のパッキン
⑤コック本体
まず、①プレートを 取り外した(+)ネジ2本で本体側に押さえています。
その①プレートがさらに、②くねった座金(バネ的な役割)をおさえ、その②くねった座金がさらに③コックレバーをバネ的な役割を果たしながら押さえています。
それをさらに取り外すと③のコックレバーも一緒にはずれました。
③このコックレバーの裏面はフラットな平面で部分的に溝が施してあります。
④の4つ穴のパッキンにこの③コックレバーの裏面が接着・密着してガソリンが漏れ出ないように抑える仕組みで、かつコックレバーを回してONやRES位置にすると施してある溝がパイプの役割をしてキャブレター(エンジン)側にガソリンを送り込む。
単純にそういう仕組みになています。
③コックレバーの裏面の溝がON用の穴もしくはリザーブ用の穴とキャブレター(エンジン)側の穴をバイパスするかそのいずれもをふさいでしまうか(その時にはガソリンコックOFF)という仕組みです。
④の4つの穴のうち、上の2つがタンクの中に貫通した2本のパイプにつながっています。
下の穴2つはこのコックの場合はどちらもガソリンホースの接続部につながっています。
4つ穴のうち上部の2つの穴に関しては、ガソリンタンク内にのびる2本のパイプにつながっています。
一つはガソリンコックがON位置のときにしたの穴とバイパスされます。ガソリンが流れる穴のパイプは少し長めとなっています。
いっぽう予備(RES)位置のときにガソリンが流れる穴とつながるパイプは短くなっていて、タンク内のガソリンが減って長いほうのパイプより下回ったらガソリンコックを予備(RES)位置にすることで残りあとわずかのガソリンをキャブレター(エンジン)側に送り込むことができます。
この仕組みだと、タンクが満タンのときからガソリンコックを予備(RES)位置にしていても何ら問題なくガソリンはエンジン側に供給できますが、燃料が完全になくなるまで気付くタイミングがなくなってしまいますね。
さらにいうと、予備(RES)位置だとパイプが短い分、ガソリンタンク内の錆やゴミのようなものをキャブレター側に不用意に送り込んでしまう確率も上がってしまいます。
やはり通常はON位置で走行したいです。
パッキンが劣化していました
さて、今回の作業をすすめると、④の4つ穴のパッキンの一部が欠けていることがわかりました。
これだと、コックをOFFにしたところで、③のガソリンコック裏面がいくらフラットでもすき間ができてしまってガソリンはすこしずつ流れ出してしまいます。
そこで、今回はこのパッキンだけを取り換えることにしました。
今回つかったパッキンは社外品ですが、純正品もまだ入手できるようです。
ネットでしらべるといろいろな車種用のパッキンが売られていますのでご自身の車種用のパッキンを探してみてください。
加えて、パッキンを交換する際にさらにコック本体のパイプも若干の欠けがあることがわかりました。
今回の作業では、パッキンだけを取り換えて様子見をしますが、また不具合が繰り返すようであればガソリンコックそのものを交換する方法をとるしかないと判断しています。
当面は様子見することにしました。
ガソリンコックのオーバーホールについて
今回はガソリンコックのオーバーホールというほどではないですが、パッキンの交換をしてみました。
オーバーホールキットのようなパッキン類のセットが販売されいる車種もあるようです。
ガソリン漏れはテンション下がるだけではなく、匂いや汚れもひどいですし、なにより危険もあります。
ガソリンの取り扱いには十分に注意をして、わたしもみなさんも漏れない旧車をめざしましょうw
今回の作業で使用したアイテム類
ガソリン携行缶と予備のガソリンホース
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さいごまで読んでくださりありがとうございました。
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