ビジネススキルとして重要とされる「傾聴」。
わたしが参加した会議で上司と部下の間で実際に起きたトラブルを分析して、傾聴だけではなく職場でのコミュニケーションの重要さについて考察。
この投稿はこんなひとにおすすめ
・「上司の言っていることが理解できない」という方
・「部下がなにをいっているかわからない」という方
では、参考にどうぞ
「空気を読む」のは難しい
結論を先に表現するとすれば「空気を読む」コミュニケーションはギャンブルだといえます。
「空気よんでわかってくれよ」という期待は、いちかばちかそれに近いのが現実です。
にもかかわらず、会社で周囲を見渡す限りほとんどのひとがそのことに気づいてすらいません。
まずは、気づくことからスタートしないと始まりませんね。
「このくらいわかるだろ?」的な期待に対して相手の実態は、①ほとんどの場合「わかっている気がする」もしくは「部分的に偶然あたっている」の状態で、ときには偶然②「あたってる」ことや全然③「わからない」
この3つのパターンのはずです。
【実録】 部下が上司に「戦争」をしかける会議
2023年1月16日、職場の運営方針をきめる月例会議で気難しいある先輩が、直属の上司になかば喧嘩腰の言いがかりをつけてしまいました。
この職場の責任者として、この仕事の「つけ」に対して責任をどうやってとるんだ!
(どちらが上司かわからないものの言いよう)
「つけ」?ですか…それは…
(上司らしくキリリとした口調で)
事象を分析してまずは現状に対策を講じます。
そのあと再発防止を講じます。
そういう責任の取り方ですかね…
そうだよ。仕事の失敗は仕事で責任とるしかないんだよ。
「つけ」とは具体的に何ですか?
お前!それをお前の立場でいうのか!自分の立場を言ってみろ!
数か月前に「協力してやろう」といったのは(上司に対して)お前だろ!
こりゃ戦争だ!
困ったな。。。
[上司目線] 部下がつっかかってくる
この状況・手遅れです
こんな状況だと、正直にいって話するだけ無駄な相手として放置するしかないですよね。
困った部下。どちらが上司かわからない。
つまりこの状況はすでに手遅れです。
周囲もサポートしようがありませんし、できることが限られています。
なのでこの上司はもっと以前からこうならないように対策を講じておくべきでした。
ご覧いただいたように、かなり個性派の先輩部下です。
彼の特性を念頭において、もっとはやくから彼の言葉に心から耳を傾け、彼がどのような課題認識をもっているのか把握しておくべきでした。
今回の会議で「つけ」という表現がつかわれましたが、さいごまで「つけ」とは何なのか会議のなかでは聞き出すことができず、取り組むべき事柄はまったく認識共有されることがなかったのです。
部下の状況を冷静に分析
上司目線からすると「めちゃくちゃな部下」である彼。
そんな彼は実は「孤独」です。
個性的なきつい言葉遣いは確かにとっつきにくいキャラクターでした。
そしてこの上司は頭がいい。彼のきたない言葉づかいが無意識で嫌でした。
ここに至るまでの普段のコミュニケーションでは、常に彼の提案や意見はこの上司がことごとく自分の言葉に置き換えて面子をつぶしていたように見えます。
普段のコミュニケーションでこの部下が上司に期待していた反応はいつも「そうですよね。わかります。では〇〇するようにしましょうか。」というものだったのです。
彼の言葉はきたなくとも、仕事に対しての熱量はだれにも負けないかったキャラクターでした。
もっと、彼の意見が尊重されるやりとりが必要だったようです。
結果として関係が接近しないまま、部下が抱えている具体的な課題認識を聞きさすことができていません。
実務や現場実態に疎いエリート
エリート感の強い上司は、それほどあたりが強いひとではないですが、自信家の要素はすこしはあるように見えます。
こうあるべきという理想もあるし、論理的。
それはきっと正解です。
しかし、今回の先輩部下の実務経験や仕事現場実態の把握度合いは間違いなくこのエリート系上司を上回っているとおもわれます。
そのことは、上司自身も理解していおり、この上司はしょっちゅう現場を把握するため、自ら足を運んでいました。
これも一般的には素晴らしいことだとおもいます。
ただ、この現場は彼のものでもありました。
彼は間違いなく現場のジャイアン。
この上司は彼の立場を理解していながらも、自身が職場のリーダーであるという立場をとりました。
彼に「力を貸してほしい」というスタンスがとれていない場面が多々見られました。
管理者・管理職が自ら現場を把握する重要です。
ただ、その目的のひとつには現場で地べたをはいつくばるように働くスタッフにいかに活躍してもらうかを考えるためであること を職場のリーダーとして改めて思い知りました。
「傾聴」、まずは彼の声に理解をしめす態度をとるだけでこのようなこじれた関係にはならずに済んだかも…しれません。
[部下目線] 何もわかっていない上司
「つけ」といえばわかる(はずがない現実)
上司はそんなに変な上司ではありません。
ただ、この先輩部下の「つけ」という表現が示した内容は、ぜったい上司の認識と共通の状態ではなかったといえます。
この先輩部下は「あのことだよ」というかもしれませんが、当事者でさえぴんとこない言葉をチョイスしていたようです。
先輩…そりゃあいてもちんぷんかんぷんになりますよ。
先輩はきっとこうおっしゃるのでしょう。
「上司なんだから、職場の課題は全部わかっているはずだろ?」
「空気よめばわかるだろ?」
そういわれた後輩上司は本当に対応にこまります。
だって、
世の多くの旦那さんは嫁さんが考えてることでさえわかりませんよ…
それが現実。
上司はバカ…つまり…
納得いかないとはおもいますが、上司はバカです。
バカなのに何で俺たちより給料が高いんだ?という気持ちをどのように慰めてさしあげればいいか、言葉がうかびません。
理不尽な世の中です。
でも、そんなバカな上司には手取り足取りおしえてやらなければ、バカがバカのままつけあがるんです。
損得感情でいえば気が乗らないかもしれませんが、このような意固地な態度では、そうしないと本当なら世の中に提供できた製品もサービスも、止まってしまいます、遅れてしまいます。
受けられたはずのあなたの正しい評価も報酬もまったくきちんと受けることができません。
(損得)感情だけでなく本当に損ばかりしてしてしまうことになる。
ご自身の幸せにはどうやっても結びつこうはずがありません。
部下も自分の世界から抜け出す努力が必要
部下からみた多くの上司は間違いなく 間抜けでバカ です。
ですが、そのことの本当の姿は 「上司が見ている世界や考え と 部下が考えていることがちがう」 という事実があるだけなんです。
上司も部下も、そのひとの世界観のなかでは間違いなく正解の考えを持っています。
その事実をしっていれば、もっと丁寧な言葉で上司が見えていない世界を伝えて、どのような課題・現場の実態があるのか わかってもらう努力は必要です。
わからずやの上司、バカな上司 は確かに存在します。
彼らは、バカなのだから きちんと彼らが現場の実態がわかるように教えてあげなければ、部下も幸福な状態にはならないことを部下も理解しましょう。
解決策の案(相手への理解・きっかけは傾聴)
今回は、わからずやの上司・頑固な部下 のやり取りをご紹介しましたが、ここで私の意見を最後にまとめます。
- 上司でも部下でも相手を理解をしようとする態度・努力が必要
- 部下は 上司のことをバカ と認識すべき
- 上司のほうが「傾聴」できる立場なのでより一層部下に寄り添う努力をすべき
- 部下は上司がバカだということを前提に丁寧に伝える努力をすべき
空気はふつう読めません 言葉や活字で上手に課題をつたえる必要があります - 喧嘩するほど本当は仲がいい(同じ事柄を取り扱っている仲間です)
このような暴言的な言葉遣いを会議中に発した先輩部下は、残念ながら遠く離れた事業所に異動となりました。
普段のコミュニケーションがいかに重要か学ぶことができた反面教師の事例でした。
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